日商簿記3級 有価証券

 有価証券(ゆうかしょうけん)とは株式や債券のことを指します。
 株か~。知り合いに株式投資してる人がいるな~。
 うん。個人でも人気だけど、会社も資金の運用方法として株式を保有することがあります。
他にも子会社や関連会社の株式を保有することもあるし、
有価証券はその保有目的に応じて資産上の区分が異なります。
 保有目的に応じて?
 そう。大きく分けて4種類あるんだ。

①売買目的有価証券
②満期保有目的の債券
③子会社株式・関連会社株式(2つを合わせて関係会社株式とも呼びます)
④その他有価証券

 なんじゃこりゃ・・・。
 ①は短期売買を目的とした有価証券です。
      株価の値上がりを期待して売買します。キャピタルゲインを狙ってるんだね。
 ②は債券限定です。債券には期日が設定されているので、
満期までずっと持っていることを目的としています。債券の利息狙いですね。
 ③は子会社株式や関連会社株式です。これは売買を目的とはしていません。
ずっと持っているつもりです。
 ④は①、②、③以外の有価証券です。
 えと・・・、債券ってなんだっけ?
 おっと、説明してなかったね。
債券というのは国や地方公共団体、会社などがお金を借りるために発行する有価証券です。
国債とか社債っていうのがそうだね。
 ・・・つまり借金?
 発行する側からしたらそうだね。
 それって借入金とどう違うの?
 うん、いいところに気付いたね。
違いはお金を借りる相手の数かな。
借入金は銀行とか取引先とか1つの特定の相手からお金を借ります。
一方で債券の場合は不特定多数の相手からお金を借りることになります。

 さて、とりあえず4種類あることを説明したけれど、これは1級のレベル。
    3級では①の売買目的有価証券だけ知っていたら大丈夫
 ありゃ、そうなんだ。
 じゃ、3級で要求される仕訳を見ていきましょう。

 

有価証券の仕訳

■例:当社は売買目的でA社株式を1株につき3,000円で10株買い入れ、
   手数料2,000円とともに小切手を振り出して支払った。

資産の増加→ (売買目的有価証券) 32,000  /  (当座預金) 32,000 ←資産の減少

■例:上記A社株式を1株あたり3,500円で5株売却し、代金は小切手で受取った。

資産の増加→ (現金) 17,500  /  (売買目的有価証券) 16,000 ←資産の減少
                 /   (有価証券売却益) 1,500 ←収益の増加

■例:上記A社株式を1株あたり3,100円で3株売却し、代金は月末に受け取ることとした。

資産の増加→ (未収金)    9,300  /  (売買目的有価証券) 9,600 ←資産の減少
費用の増加→ (有価証券売却損) 300  /

 これだけ分かっていれば大丈夫かな。

例のA社株式の券面価額は1株3,000円ですが、帳簿価額は購入手数料2,000円も含めることになります。
ですからA社株式の1株当たりの価値は32,000円÷10株=3,200円/1株(以下@3,200円とします)。
 商品を仕入れるときの付随費用と同じだね。
 そうそう。あれと同じ。
で、@3,200円を@3,500円で売却したら利益がでますね。
その利益分を有価証券売却益という収益の勘定で表現します。

逆に、@3,200円を@3,100円で売却したら損失がでますね。
その損失分を有価証券売却損という費用の勘定で表現します。

 買って、売る。とりあえずこれでいいのかな。
 うん。3級ではそれで十分だよ。

 
 
 

有形固定資産<前へ  簿記入門講座TOP  次へ>補助簿



簿記の教材① 「とある会社の経理さんが教える 楽しくわかる! 簿記入門


トコトン分かりやすく、漫画で読み進め易い簿記入門書
恐縮ですが私の著書です。
一般的な入門書やテキストがあまり触れていない簿記の根本的な考え方に言及しています。
「なんでこんな仕訳をするの?」というところをしつこいくらい説明しています。

簿記検定の副読書としてもご活用ください。

対象は初学者、簿記3級合格者ですが、2級・1級合格者にも役立つ情報を掲載しています。
よろしければ本の中身サンプルをご覧ください。

読者様からいただいた感想もご参考ください(サイト全体に対するコメントも含まれています)。

簿記の教材② 「とある会社の経理さんが教える 楽しくわかる! 原価計算入門


さらに恐縮ですが、私の著書です。私の本業、原価計算の入門書です。こちらは
日商簿記検定2級の副読書としてご活用ください。

よろしければ本の中身のサンプルをご覧ください。
日商簿記2級で登場する工業簿記に相当する範囲を収めています。
個別原価計算、総合原価計算、標準原価計算、直接原価計算を扱っています。

おサルが趣味のお菓子作りを通して
「ものを作るために要する費用」の計算方法を学んでいくストーリーです。

原価というのは材料費だけではありません。
原価計算は商売をする人にとって必修科目だと思います。


次回日商簿記検定 2021年2月28日(日) 第157回簿記検定試験(1級~3級)
試験日の約2か月前になったら受験希望地の商工会議所に問い合わせましょう
商工会議所の簿記ページ:http://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/



簿記初心者入門講座トップ
簿記初心者入門講座TOP


体験談を公開
簿記の勉強法
 ∟簿記の勉強法
 ∟簿記3級の勉強時間・難易度
 ∟簿記2級の勉強時間・難易度
 ∟簿記1級の勉強時間・難易度
 ∟自由時間の作り方
 ∟簿記検定本試験用の勉強法
 ∟スケジュールの立て方
 ∟計画倒れにならないために
 ∟本試験前日の準備
 ∟本試験時の受験テクニック
 ∟りんごアップルの法則
 ∟簿記1級直前期の1日の時間配分
 ∟合格のための精神論

実際に試してみました
おすすめ教材
 ∟日商簿記3級用教材
 ∟日商簿記2級用教材
 ∟日商簿記1級用教材
 ∟簿記検定を学べる専門学校
 ∟専門学校の受講スタイルは?
 ∟会計の知識upの書籍
 ∟おすすめ電卓

資格を取ったら
簿記の資格を活かす
 ∟就職活動に使う
 ∟社内の評価upに使う
 ∟税理士試験に使う
 ∟公認会計士試験に使う

管理人プロフィール
簿記との関わり
 ∟管理人が簿記を学ぶ理由
 ∟簿記検定の遍歴
 ∟簿記1級に失敗した理由
 ∟日商簿記合格証書
1st STEP
簿記の基本を学ぶ
 ∟入門の入門
 ∟超初心者簿記入門
 ∟簿記ってなに?
 ∟簿記で良いことあるの?
 ∟簿記はやった方がいい?
 ∟簿記をはじめよう
 ∟単式簿記と複式簿記って?
 ∟複式簿記の利点って?
 ∟仕訳を覚えよう
 ∟勘定科目の分類
 ∟資産・負債・純資産って?
 ∟収益・費用って?
 ∟財務諸表を知ろう
 ∟一年間の流れ
 ∟簿記検定とは

2nd STEP
日商簿記3級講座
 ∟日商簿記3級って?
 ∟簿記3級の学習範囲
 ∟簿記3級の勉強法
 ∟商品売買の学習範囲
 ∟商品売買
 ∟三分法
 ∟付随費用
 ∟掛取引・手形取引
 ∟値引き・返品
 ∟現金
 ∟当座預金
 ∟手形取引
 ∟会計処理は複数?
 ∟仕訳と勘定
 ∟その他の債権・債務
 ∟有形固定資産
 ∟有価証券
 ∟補助簿
 ∟決算整理
   ∟減価償却
   ∟貸倒引当金
   ∟商品の決算整理
   ∟経過勘定
   ∟現金過不足
   ∟有価証券の評価
   ∟消耗品



3rd STEP
日商簿記2級講座
 工業簿記
 ∟工業簿記とは?
 ∟原価と原価計算ってなに?
 ∟工業簿記と原価計算の関係
 ∟原価計算の種類はたくさん?
 ∟材料費・労務費・経費を学ぼう
 ∟直接費と間接費
 ∟個別原価計算・総合原価計算?
 ∟個別原価計算を学ぼう
 ∟部門別個別原価計算を学ぼう
  ↓編集中
 ∟総合原価計算を学ぼう
 ∟工程別総合原価計算を学ぼう
 ∟等級別別総合原価計算を学ぼう
 ∟財務諸表と本社工場会計
 ∟直接原価計算
 ∟実際原価計算と標準原価計算



4th STEP
少し高度な簿記
 ∟税効果会計
 ∟資産除去債務
 ∟純資産の部の内容
 ∟有価証券の種類と評価















ビジネス力UP!
ビジネス知識
 ∟小売と卸売の違い
 ∟年商数億円てすごい?
 ∟手形の仕組み


 サイトマップ
じめに
TOPページ
このサイトについて
管理人プロフィール
Twitter ツイッター
RSS

仕紹介
経理さんのお仕事




画・絵
経理さんの絵日記
ネタ・オリジナル漫画
Lineのスタンプ


とある夫婦の日常生活

書・書評
面白かった本など
超初心者簿記入門
宅地建物取引士入門
QC検定入門
第二種電気工事士

趣味・ビジネススキル
Excelの便利な使い方
ACCESSの使い方
絵を描く
動画を作成する
サイトを作って運営する

お金を増やす
激安生活節約術
株式・デリバティブ投資
不動産投資
無料ネットビジネス


その他
リンク
お勧め商品・サービス
過去のコメントレス1
過去のコメントレス2
新版とある経理
東山デンタルクリニック

トップ   編集 凍結 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2019-12-19 (木) 17:58:50