今回は簿記3級の範囲じゃないけれど、知識の裏づけのために一読お願いします。
ん。
さて、例えば全く同じ内容の取引をしたとしても、
A会社は(1)という会計処理をして、B会社は(2)という会計処理をする。
こういうことは普通にあり得ることです。
同じ取引をしているのに、仕訳が違うってこと?
そういうことだね。
そんなことしたら、利益とか変わってきちゃうんじゃない?
なかなかするどいね。
全く同じ取引をしている2つの会社があったとしても、
その両者の一年の利益が同じになるとは限らないんだ。
ええ~。そんなのっておかしいよ!
だって会計は正しく示されないといけないんでしょう?
新聞とかニュースで粉飾何とかで逮捕ってやってたよ?
粉飾決算だね。
あれは、架空の取引とかをでっち上げているから問題なんだよ。
上場企業は、株主など投資家からの圧力が結構あるからね。
多少無理してでも利益を多く見せようとする傾向があるんだ。
それの行き過ぎが粉飾決算というやつだね。
あれは嘘をついているからダメなんです。
会計処理の話に戻りましょう。
一つの取引に複数の会計処理の方法を選択することができる。
何故こんなことが許されるのか?
それは会社と一言にいっても、会社の業態は実に様々だからです。
製造業のように機械、建物など大型の初期投資を必要とする会社や
ソフト開発やネット関連のサービス会社のように初期費用があまりかからない会社、
流通業のように初期費用は少ないけれど、扱う商品が多く利幅が小さい会社などなど。
これら全てに適応できる画一的な会計処理方法があればいいのですが、残念ながらありません。
ですから、複数の方法からそれぞれに相応しい処理方法を採用するべきなのです。
ま、そんなわけで、仕訳の方法もいろいろあるというわけです。
ただ、全ての取引について代替的な処理方法があるわけじゃないから。あくまで、一部ね。
気になってるのは、始めに言った利益の話なんだけど・・・
ああ、そうだね。
う~ん、こう言っちゃなんだけど、
会社が発表している利益は鵜呑みにしない方がいいかも、ですね。
え!?
投資家としての目線で見た場合ね。
「この会社は当期純利益がすんごい上がった、だからきっとこれからも成長していくだろう」
と言う風には考えるのはちょっと早まった考え方、ということだね。
よく分かんないんだけど・・・?
疑ってかかった方がいい、ということ。
財務諸表は経営者や経理責任者の恣意性がもろに影響する、
と言えなくもないから。
前述したように会計処理の方法は複数あるから、
それを上手く使って利益が多いように見せかけることもできるんだよ。
あくまで正当な方法でね。
・・・じゃあ、何を信用すればいいのかしら。
財務諸表でいいんだよ?
別に嘘をついてるわけじゃないんだから。
ただ、当期純利益だけを見て評価するのは、チョット危ないって話だね。
前期の財務諸表と比較しながら、キャッシュフロー、資産の増減、売上高の推移、利益の上昇率
総資産利益率、投下資本利益率などなど、色々な側面から見ていくと、その企業の本当の力が見えてきます。
経営者がある一点を良く見せようとすると、他の部分にその歪みのしわ寄せが現れるから、
そこを見つけることができるようになると、相当会計の実力が身についたって言えるんじゃないかな。
はぁ~、そういうもんなんだね~。
そうそう。
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