さてと、商品売買の基本が分かってもらえたところで、もう一つ。
仕入の価格はどうやって決めましょう?
?どうやってって、そりゃ仕入先との交渉じゃない?
うん。それはそうだね。
でも商品を仕入れるって言っても、商品自体の価格以外にお金がかかることがあるんだ。
それはどうしたらいいのかなって話。
ありゃ、そんなことがあるの?
じゃあいつも通り例を挙げてみましょう。
例:
■一つ100円のリンゴを100個仕入れ、代金を現金で支払った。
(仕入) 10,000 / (現金) 10,000
普通に考えたら、こんな仕訳になります。
でも、リンゴを100個っていったら結構な量です。運ぶのも一苦労しそうです。
なので自分で引き取りにいくのではなく、運送してもらうことにします。
別途運送費1,000円かかりました。
例:
■一つ100円のリンゴを100個仕入れ、運送費1,000円とともに代金を現金で支払った。
(仕入) 11,000 / (現金) 11,000
仕訳はこうなります。運送費がリンゴの値段に加算されています。
リンゴそのものは店では@100円でしたが、実際に手に入れるためには運送費も必要なのだから、
実質リンゴの仕入れ値は@110円、という風に考えます。
こういった、商品自体の値段以外の、購入時にかかる諸費を外部副費と呼びます。
引取運賃や購入手数料、関税などがあります。
これは必ず購入原価に加算されます。
おそらく、日商簿記検定3級レベルでしたら、ここまで理解していれば問題ありません。
「商品を取得した際にかかった諸費も取得原価に算入する」
これさえ分かっていれば大丈夫。
・・・・・
・・・
? どしたの、黙っちゃって?
とりあえずここまでが日商簿記3級レベルね。
ここから日商簿記検定2級、1級レベルの話をちょっとします。
今は必要ないかもしれないけど、知識の裏づけになるから少しだけするね。
蛇足的な話なので、難しければ飛ばして構いません。
へぇ! 大丈夫かなぁ?
・・・
さて、リンゴ100個を購入しましたが、これを一時的に保管するために、
近所の会社の大型冷蔵庫を借りることにしました。
保管料として2,000円支払うことになります。
例:
■一つ100円のリンゴを100個仕入れ、運送費1,000円とともに代金を現金で支払った。
さらに保管費2,000円を現金で支払った。
(仕入) 13,000 / (現金) 13,000
もしくは、保管費は別に考える場合があります。
(仕入) 11,000 / (現金) 13,000 (保管費)2,000 /
*保管費以外の勘定を使うこともあります。
このように商品を仕入れてから販売するまでの間にも、いろいろと費用がかかります。
これらのことを内部副費と呼びます。
発生箇所で分けて2種類の発生原因があります。
仕入時にかかる費用を外部副費。販売までにかかる費用を内部副費と呼びます。
これらをまとめて付随費用(または副費)と呼びます。
付随費用=外部副費+内部副費です。
上記しましたが、仕入時にかかる費用(外部副費)は必ず仕入勘定に加算します。
ですが、内部副費に関しては、その費用の全部または一部を仕入れに含めずに、
別の費用に計上しても構いません。
というか、むしろ含めないのが一般的です。
これは、仕入れた商品の売上までにかかる費用が特定しづらいことが理由です。
外部副費は仕入時に判明するので把握しやすいのですが、
一旦仕入れた商品がいったいいつ販売されるのかは明確ではありません。
それまでにかかった内部副費を的確に商品原価に算入することが困難なため、
内部副費は仕入原価に含めなくてもいい、と決められているのです。
★簿記の教材① 「とある会社の経理さんが教える 楽しくわかる! 簿記入門」 | ||
|
トコトン分かりやすく、漫画で読み進め易い簿記入門書。 恐縮ですが私の著書です。 一般的な入門書やテキストがあまり触れていない簿記の根本的な考え方に言及しています。 「なんでこんな仕訳をするの?」というところをしつこいくらい説明しています。 簿記検定の副読書としてもご活用ください。 対象は初学者、簿記3級合格者ですが、2級・1級合格者にも役立つ情報を掲載しています。 よろしければ本の中身サンプルをご覧ください。 読者様からいただいた感想もご参考ください(サイト全体に対するコメントも含まれています)。 |
★簿記の教材② 「とある会社の経理さんが教える 楽しくわかる! 原価計算入門」 | ||
|
さらに恐縮ですが、私の著書です。私の本業、原価計算の入門書です。こちらは 日商簿記検定2級の副読書としてご活用ください。 よろしければ本の中身のサンプルをご覧ください。 日商簿記2級で登場する工業簿記に相当する範囲を収めています。 個別原価計算、総合原価計算、標準原価計算、直接原価計算を扱っています。 おサルが趣味のお菓子作りを通して 「ものを作るために要する費用」の計算方法を学んでいくストーリーです。 原価というのは材料費だけではありません。 原価計算は商売をする人にとって必修科目だと思います。 |
| ||||||||||||
はじめに
仕仕紹介
|
漫画・絵
動画
読書・書評
|
学習
趣味・ビジネススキル
|
お金を増やす
その他
|