原価というのは経済的資源の消費額を指します。
商売は何かモノを販売します。そのモノを手に入れるために要した金額を原価と呼びます。
収益に直接対応する消費額といえば良いでしょうか。
例えば八百屋さんが@100円でリンゴを仕入れ、それを@150円で販売した場合、このリンゴの原価は100円です。
損益計算書で一番上に売上高、次に売上原価という項目が記載されますよね。
あれが原価です。売った商品に対するその仕入れにかかった金額を示しているわけです。
商品以外の建物や土地を売った場合でも、その建物や土地の帳簿価額が原価に相当します。
売ったものに対する消費額なので、営業マンが事務用品の鉛筆を買ったとかは原価ではありません。これは費用です。
(蛇足ですが損益計算でマイナスに属するものには原価、費用、損失の3種があります。
「収益と費用」の費用の中に3つの区分があるんです。
原価は収益に直接関係するもの。費用は収益に間接的に関わるもの。損失は収益とは関係なく、突発的に発生したもの。
そんな認識でいいでしょう)
では製造業の場合はどうでしょう。
製造業が販売するモノは、自社内で製造した製品です。
(八百屋さんの野菜のように仕入れたものをそのままの形で販売する代物を商品、
製造業が自社内で加工して作り上げるものを製品、と呼び分けています)
モノを作るためには材料や人間の労力・時間、電力・ガス・水道、機械、設備、様々なものが必要です。
これらを消費して販売すべき製品を生産します。
なので消費した材料などを金額に換算したものの合計額が原価になります。
製品を作るのにかかった金額。
これは計算しなければ分かりません。
この計算がなかなか厄介なのです(´・ω・`)
八百屋さんが売り上げた商品の仕入値を計算するのは割と簡単です。
リンゴを1個100円で買ったなら基本的にこの金額が原価です。
一方、ケーキ屋さんがイチゴケーキを1個作ったらその原価はいくらになるのでしょう?
使った小麦粉の量、作るのにかかった時間、レンジの使用時間。
こういうのを積み重ねてやっとこさ金額が判明します。
この原価を計算する手法のことを原価計算と呼びます。 そのまんまな名前ですね。
「製品一個を作るのに何円かかったのか?」
この問題を解くために原価計算は開発されました。
原価が分からなければ何円で販売すればいいのかも分かりません。
ケーキ1個を150円で売っているけれど、その原価が実は200円だった、なんてことになっては商売が成り立ちません。
適切な売価を設定するためにも原価を知る必要があるのです。
元々は原価を知ることを目的とした原価計算ですが、
時代の変遷、経済発展に伴いその要求される役割が拡大されてきました。
続きは次の項で。
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