じゃあ、単式簿記と複式簿記の説明をするね。
まず単式と複式って名前から連想できるように、
単式は1つ、複式は2つ以上と考えたらいいよ。
へ?なにが?
一回の取引で帳簿をつける項目の数が。
??
例えをあげた方が分かりやすいね。
例:5月18日、インコくんは先月分の携帯電話代5,000円を現金で支払いました。
◆単式簿記の場合
◆複式簿記の場合
1)仕訳帳(しわけちょう)に仕訳を書き
*仕訳帳とは仕訳(後で説明します)を記す帳簿です。
↓
2)総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)に転記します。
*総勘定元帳とは以下のように項目ごとに取引をまとめた、でっかい分厚い帳簿です。
違い、分かるかい?
複式の方がなんか、書くことが多いね。始めに、よく分からないもの書いてるし。
そうだね。
複式の始めに書いたのは『仕訳(しわけ)』といって、取引を示しているんだ。
取引があるたびに、必ずこれは書かなければならない。
お金の出入の内容を示している、と言ったらいいかな?
最初に言ったとおり、単式では帳簿に一つ(携帯電話代)だけ書いて、
複式では二つ(携帯電話代、現金)書いてるでしょ。
ああ、本当だね。でもなんで?たくさん書いてめんどっちいんじゃないの?
そうだね。でもこうした方が後々管理しやすいんだ。
会社が取り扱うお金に関するものは膨大だからね。
情報量が多ければ、上手にまとめておかないと何がなんだか分からなくなってしまう。
どんな風に効率がいいの?
それはまた次回にしようか。
とりあえず、複式簿記は管理のしやすさから採用されている、ということを覚えておいてね。
家計簿の書き方に決まりはありません。
人それぞれの書き方で全然構わないです。
なぜなら、自分が見てその内容が理解できればいいからです。
他の人に我が家の家計簿を見せてあげる必要なんてありませんよね?
だから、他の人に理解できなくてもいいわけです。
一方、会社で使う帳簿は他の人が理解できなくてはいけません。
会社の帳簿は多くの人に見られるからです。
帳簿をつける人それぞれが自分勝手な書き方をしていると、
まとまりのない理解しにくいものになってしまいます。
上場している株式会社であれば、その会社以外の人が帳簿を見ることになります
(正確には財務諸表(ざいむしょひょう)と呼ばれる会社の成績表です)。
もっと多くの人たちが同じものを見て、そこから同じ内容を正しく理解できなければいけません。
そのためには、共通の書き方が必要になります。
これって言葉と同じですよね?
ここでちょっと質問。
『バナナ』ってどんなものですか?
・・・
・・・・・・
皮が厚めで黄色で房になった甘い果物、ですよね。
ですよね?
人によって説明の仕方に若干の違いはあるかもしれませんが、
イメージするのは同じもののはずです。
これは『バナナ=黄色い果物』が皆の共通認識になっているからです。
だから、仮に友人が『昨日バナナでさ~』と話しかけてきても、
あなたは『ああ、あの黄色い果物をどうにかしたのか?』と瞬時に無意識に理解できるわけです。
ところが、もしあなたの家でバナナのことを『ブリンブリン』と呼んでいたとしたら、 どうでしょう。
あなた 『そういや前にお前が話してたとおり、ブリンブリンで試してみたよ』
友人 『・・・・・・ブリンブリン?』
あなた 『そう、ブリンブリン。あれ結構美味いな。ブリンブリンがちょうど良い甘さで――』
友人 『・・・いや、ブリンブリンってなによ?』
あなた 『え?なにって、え?いや、ブリンブリンだよ。黄色い果物の。前に話してたじゃん』
友人 『・・・もしかしてバナナのことか?』
あなた 『そうそう、そうとも言う』
友人 『・・・・・・・・・』
通じるわけねぇだろヾ(。`Д´。)ノ
・・・
・・・・・・
なんだか、簿記とかけ離れてしまいましたが(・ω・)
要するに、会社で使う簿記には決まりごとがあります。
皆がこの決まりごとを遵守することで、皆が理解できるようになります。
『こういう書き方しなさいよ』『こんな時はこういう処理をしなさいよ』って感じで。
つまり簿記を学ぶということは、この決まりごとを知ることだと言えます。
家計簿と会社の帳簿の違いは、単式・複式の違いに加えて、
ルールの存在が大きな違いといえるでしょう。
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