原価計算の大きな種類分けの一つとして個別原価計算があります。
例えばビルの建設、船舶の製造、1000本単位で製造される工具など、
お客さんから注文を受けた特定の製品を製造する際に行われる原価計算です。
お客さんから注文を受けると、その製品の規格や作業手順を記載した命令書を作成して、
これに従って製品が作られます。
この命令書のことを製造指図書(せいぞうさしずしょ)と呼びます。
この製造指図書ごとに原価計算を行います。
簿記検定では上記の形での計算表がよく出題されます。
「#101」、「#102」、「#103」と書いているのが製造指図書の番号です。
(必ずしも#が付くわけではありません)
仕掛中(しかかりちゅう)というのは「作ってる途中」という意味です。
仕掛品(しかかりひん)という言葉は加工途中の未完成品のことです。
この表から次のことが読み取れます。
「#101」は前月末に仕掛品だったものを追加加工して当月完成。
「#102」は当月製造を始めて完成。「#103」は当月製造を始めて未完成。
この製造指図書別原価計算表と仕掛品勘定の対応を見てみると以下のようになります。
このように勘定の流れを掴むことが原価計算において非常に重要です。
個別原価計算は基本的に上記の計算表に数字を埋めていくと解けるので
比較的解きやすい問題だと思います。
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