簿記や会計と全然関係のない話で恐縮ですが、
「ねずみ講(マルチ商法とも呼ばれます)」と聞いてどんな想像をされるでしょう?
*ねずみ講ってなに?という方はこちら(Wikipedia)でお調べください。
ねずみ講は危ない。詐欺だ。儲かるはずがない。
ねずみ講のイメージはこんなところではないでしょうか。
実際その通りで、犯罪行為として認識されています。
しかし、ねずみ講とほとんど同じスタイルのビジネスが存在していることをご存知ですか?
それはネットワークマーケティング(日本ではネットワークビジネス)と呼ばれています。
このネットワークマーケティング、アメリカでは優れたビジネススタイルとして、広く受け入れられているそうです。金もち父さん貧乏父さんの著者ロバート・キヨサキ氏もネットワークマーケティングに関する本を出しています。自分で稼げるビジネスを作る必要がなく、また自分のビジネススキルを高めてくれる。と褒めています。 ネットワークマーケティングもねずみ講も基本的な仕組みは同じです。 始めにいくらかの契約金を支払い商品を販売する権利を買い、自分がセールスマンとなり、人に商品を売る。新たなセールスマンを獲得すれば、その人の稼ぎの一部が自分にキャッシュバックされる。
どちらもこれは同じです。
では何が違うのか?
商品?
価格?
売り方?
初期費用?
キャッシュバックの仕組み?
答は・・・
勧誘の仕方です。
始めにねずみ講の勧誘の仕方から見てみましょう。
「絶対に儲かるからやってみない?始めるのが早ければ早いほど良いポジションにつけるから」
儲かるから商品を購入する。
「儲かる」ありきで参加するのがねずみ講です。
危ないですね~。あからさまに怪しい雰囲気がプンプンします。
知り合いからこんなお誘いを受けたら、全速力で逃げましょう。
また、やんわりと手を引くことをお勧めしてあげましょう。遠くから。
一方、ネットワークマーケティングはどうでしょう。
「この間紹介したお鍋どうだった?」
「うん、あれすっごく良かった。味がしっかり染みて美味しくできたわ~」
「でしょう?しかもお水をほとんど使わないから、野菜の栄養素もほとんど出て行かないそうよ。」
「あら~、ますますいいわねぇ。妹にも勧めてあげようかしら」
「あら、だったらこんなサービスがあるんだけど使ってみたら?
この会社の商品を紹介してあげたら、紹介料を受け取れるって仕組みがあるの。
妹さんと紹介料を半分こしたら、割引購入できてお得よ?」
「あら、そんなお得があるの?もっと詳しく聞かせて」
ネットワークマーケティングは商品ありきで、「儲け」は二の次です。
この鍋を使っている奥様。
妹さんに紹介したけれども、買ってくれなかった。
儲けがでなかったとして、怒り出すでしょうか?
「話が違うじゃない!絶対儲かるって言われたから、高いお鍋買ったのに!!」
なんて、わめき散らすでしょうか?
言わないですよね。
この奥さんは、友達に紹介されたお鍋を気に入っています。
他の人に紹介すれば紹介料がもらえると聞いて、試してみたけれど上手くいかなかった。
少し残念だけど、別に気にはしません。
怒り出すなんて論外です。
だってお金が欲しくてお鍋を買ったわけではありませんから。
どうでしょう?
ねずみ講とネットワークマーケティングの違い、なんとなく分かっていただけたでしょうか?
商品が高額なサプリメントだからとか、調理器具だからとかは関係ありません。
ピラミッド型の配当。
何世代までキャッシュバックの対象になる、などの仕組みも関係ありません。
ねずみ講が問題なのは「絶対儲かる」と銘打って高い初期費用をぶんどるやり方なのです。
理論的に「絶対儲からない」人が出ることは明白です。
人口は有限ですからね。
にも関わらず嘘を言って勧誘することが罪なのです。
ねずみ講について知らなかった方は、これを機に気をつけてくださいね。
世の中に『絶対儲かること』は存在しませんから。
(ひょっとしたらあるかもしれませんが、少なくともその辺には転がっていません)