商品売買では現金以外でも取引をすることがあります。
掛取引や手形がこれにあたります。
掛?手形って?
掛というのは後日、お金を支払う口約束のことだね。
手形というのは、掛取引よりも信頼性が高い証券のことです。
これらは商品やサービスを提供・享受する対価に代金を受取る権利や支払う義務が発生します。
で、これらを総称して
債権=代金を受取る権利
債務=代金を支払う義務
と呼びます。
・・・ふ~ん?
まぁ、口で説明するより実際に仕訳を見た方が早いね。
■商品10,000円を掛で売り上げた。
資産の増加→(売掛金) 10,000 / (売上) 10,000←収益の増加
■商品10,000円を掛で仕入れた。
費用の増加→(仕入) 10,000 / (買掛金) 10,000←負債の増加
■商品10,000円を売り上げ、手形を受取った。
資産の増加→(受取手形) 10,000 / (売上) 10,000←収益の増加
■商品10,000円を仕入れ、手形を振り出した。
費用の増加→(仕入) 10,000 / (支払手形) 10,000←負債の増加
こんな感じで使う勘定は
売掛金・買掛金・受取手形・支払手形
の4種類が基本になります。
なんか単純な名前だね。
そうだね。で、もちろんこれら債権債務は最終的に現金と交換されます。
決済は以下のようになります。
■売掛金10,000円を回収した。
資産の増加→(現金) 10,000 / (売掛金) 10,000←資産の減少
■買掛金10,000円の支払いをした。
負債の減少→(買掛金) 10,000 / (現金) 10,000←資産の減少
■受取手形10,000円を取り立てた。
資産の増加→(現金) 10,000 / (受取手形) 10,000←資産の減少
■支払手形10,000円の支払いをした。
負債の減少→(支払手形) 10,000 / (現金) 10,000←資産の減少
大体基本的な仕訳はこんなところだね。
結局のところ、現金の代わりに一時的に使うのが、掛であり手形だってことです。
なるほど。これは割と簡単だったような気がする。
でも、なんでわざわざこんな取引をするの?現金で取引した方が簡単なんじゃ?
確かに現金で取引した方が有利なことも多いね。
債権のように貸倒れる(返してもらえない)心配がないという点でも現金は強いね。
でも掛取引を行うことで、現在持っている資金以上の取引をすることが可能になるんだ。
それに現金を管理するにも何かと費用がかかってしまう。
だから信用できる会社相手であれば掛取引・信用取引を行うが一般的だね。
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