インコ君、小売(こうり)業と卸売(おろしうり)業の違い分かる?
・・・・・・
・・・
商品を仕入れてきて、誰かに売ってる・・・?
そうそう、そんな感じ。
どちらも転売しているわけですね。
違いは、売る相手が誰か。
小売であれば最終消費者(我々個人ですね)。
卸売であれば会社です。
その販売方法(対面、通信販売、電話、インターネット、自動販売機)や
販売される場所(店舗、路上、消費者の家)は関係ありません。
どんな商品であろうとサービスであろうと、消費者に提供する商業を小売業と呼び、
他の会社に提供するのを卸売業と呼びます。
そんだけです。
だから小売も卸売の両方やっている会社も珍しくありません。
ふ~ん。違いは顧客が最終消費者か企業かってだけ?
んにゃ、それは定義の話であって、小売と卸売は色々な点で違っているよ。
例えは以下の点なんかそうだね。
①卸売業は企業顧客を相手とするので、立地や雰囲気にあまり注意を払わない。
②一般的に卸売業者の方が小売業者よりも取引の規模が大きい。
③小売業と卸売業では法律上、税法上の扱いが異なる。
卸売っていうのはメーカー(製造業者)から仕入れて
それをまた別の流通会社とか小売会社に売るって事だよね。
そうだね。
仲介業者ってことでしょ?マージンを取るってことだよね?
どうしてメーカーは直接小売業者や最終消費者に販売しないの?その方が得じゃない?
確かにね。
①製造業者⇒卸売業者(仲介業者)⇒卸売業者⇒・・・⇒消費者
②製造業者⇒消費者
上記の2つであれば②の方が商品の価格を抑えることができて良さそうですね。
理想はそうです。
ですから、仲介業者(商社)を使わず、自社のみで販売網を築き上げる改革を行った会社もあります。
これとは別の理由で、ホンダは海外進出する際、命をあずかる製品を販売するのだから
自分たちで売らなければならない、と商社を使わなかったそうです。
にもかかわらず、卸売業者が活躍している理由は
卸売業者は以下のいずれかに長けているからです。
①販売とプロモーション:
製造業者は小口顧客に対する営業力を節約できる(営業マンを多く雇わなくて済む)。
②品揃え:
卸売業者の扱う商品は多岐に渡るので、顧客の手間を省くことができる。
(生産者から直接購入していたら、多くの取引先とやり取りをしなければならない)
③コスト削減:
卸売業者は大量に仕入、それを小口に分割して販売することで顧客のコストを節約する。
④在庫リスクの軽減:
卸売業者が在庫を持つので、製造業者、顧客の双方は在庫のコストとリスクを軽減できる。
⑤輸送の迅速化:
卸売業者は生産者よりも顧客の近くにいるため、商品の配達が迅速に行える。
⑥リスク負担:
卸売業者は商品の所有権を獲得し、盗難、破損、腐敗、陳腐化によって発生する
コストを負担して、リスクを吸収する。
⑦市場情報提供:
卸売業者は供給会社(製造業者)と顧客(他の流通業者または小売業者)に対して、
競合他社の活動、新製品、価格動向などの情報を提供する。
⑧コンサルティング:
卸売業者は小売店の店員を教育したり、店舗のレイアウト、会計システム、
在庫管理システムを確立したり、小売業者の業務を改善してくれることがある。
⑨信用売り可能:
卸売業者は顧客に信用売りを認め、生産者に対しては期日どおりの支払いをすることで資金の融通を行う。
ひゃ~、なんか一杯あるね。
そんなこんなで、卸売に販売を頼むメリットはたくさんあるんだね。
だからといって全て商社任せにするのも問題だろうけど。
とりあえずこの章は小売業と卸売業の違いについてだからこの辺で終わりにします。
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